高校生からのゲーム理論

『高校生からのゲーム理論』松井彰彦 (著)

書評
執筆責任者:ジパング
ゲーム理論。名前こそ聞いたことがあるものの、実際にどういう理論かは知らない。経済学で学ぶすごそうな理論。興味があったものの理論とついているだけで難しいものと感じてしまいなかなかその中身を学ぶ機会がなかったのですが、今回ゲーム理論に関する読みやすそうな本を見つけたため紹介したいと思います。現代社会を生きる私達は常に他者との関わりの中で生活をしています。友人、同僚、恋人、取引相手、さまざまな人間関係の上に生活が成り立っていることでしょう。その際に必要になってくるのが相手を推し量る力です。企業が新規事業に参入する際に既存企業がどういった行動をとるでしょうか。ガソリン業界は寡占状態の解消を目指して90年代に規制が緩和されました、しかし寡占状態が解消されることはなかった。これの裏にはどのような動きがあったかというと、新規参入を恐れた既存企業がガソリン価格を引き下げ、新規参入する企業を抑制したのです。規制を緩和したことで寡占は解消されなかったものの、ガソリン価格は下がりました。新規参入されることによる利益の減少とガソリン価格を引き下げることによる利益の減少と天秤にかけたとき、引き下げることのほうが利益が大きくなるためこのような行動をとったのです。そんな人間関係を客観的に分析してどういった行動を取ることが最善となるかを紐解いていくのがこのゲーム理論です。本書のタイトルにもある通り、この本は中高生をターゲットにしているだけあって経済学に関する本でありながら非常に読みやすく書かれています。数学の知識も簡単な確率計算ができれば読めるようになっていながら、内容は充実しているのでゲーム理論にすこしでも興味がある方はこちらの本から読むことをおすすめします。
(727文字)

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