試験勉強という名の知的冒険

『試験勉強という名の知的冒険』富田一彦(著)

書評
執筆責任者:シト
今回私が紹介するのは『試験勉強という名の知的冒険』だ。今、世間には勉強のハウツーが出回っている。それはYouTubeであったり本だったりとたくさんある。この本もハウツーに分類されるものだろう。しかし、ただのハウツーではない。他とは一線を画している。まず、問題という性質上どのような仕掛けがあるのかが書かれている。世の中であふれているものは、「~すれば必ず~できる!」ものばかりだ。こういうものは非常に簡単で一般に対して受けがよい。それはそういう本が非常に売れていることからもわかる。しかし、この本は違う。ハウツー的なことは確かに書かれている。だが、そのすべてが試験問題がどのようにして作られているのかという視点を土台にしている。多くの本は、読者に思考停止にさせてくるが、この本は読者に自身のやり方を考えさせる機会を与えてくれる。次に、しっかりとした問題には共通したものがあると書かれている。最近?の話題にもなっていたが古文がいるかどうかという話はよくされる。文化がどうこうという話は保留し、試験という視点で見た場合どうなのか、そして、巷で言われていることがどのようなものなのかを考えさせてくれる。最後に、科目全体から英語をどう勉強するか、指導するかが書かれている。多くの人は全体で点数を取るという視点がない、あるいは軽視しているのではないだろうか。これは学習者にも指導者にも言えるだろう。主要科目に対しては何も考えず、サブの科目である(とされる)社会や理科に対してはい、かにしてバランスをとるかといったことを考える人は多いと感じる。試験とは全体で点数を取るものだと再認識させてくれる。この本に書いてあることは、学習時にも指導時にも大切なことだ。学習者の人、指導者の人、特に学校の先生にぜひおすすめしたい。
(752文字)

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基礎教養部

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