疑う力

『疑う力』真山 仁 (著)

書評
執筆責任者:イスツクエ
今回紹介する本は真山仁氏の「疑う力」である。今まではあまり意識していなかったが今回は最近の本を選ぶことにした。2024年に出版された本である。この本で扱うトピックは「幸せの定義」「民主主義」「ミステリー小説」「エネルギー問題」「戦争」「日本の未来」である。幸せについて語るとき精神的な幸せと物質的な幸せ(お金)について言及する。お金が欲しいというが、一方で欲しいものは特にないという。本来、お金は何かを手に入れる手段のはずなのに、お金持ちになって何がしたいのかについて答えることができない。次に民主主義という政治形態はよいものなのだろうか。民主主義では多数派がおバカさんだった場合おバカな結論がでることになる。つまり民度の問題が重要になる。ミステリー小説を読みことには二つの利点がある。一つは他人の人生を疑似体験できることだ。複数の登場人物の視点が多様性を養ってくれる。もう一つは疑う力を養うことができる。ミステリー小説には嘘がちりばめられているからだ。作者は読者に対し様々な方法で先入観を植え付け真実と嘘を織り交ぜながら騙していく。こういった騙される経験を現実で何度も味わうと心が折れるが小説の中で疑似体験できることは非常に有意義である。この本では様々なトピックを用いながら疑う力について述べている。中でもまずは前提を疑うことが重要だとされている。「なぜ日本の民主主義が分断されているのか」という問いが出されたときに「そもそも日本の民主主義は分断されているのか」という疑問を持てるかどうか。テレビやニュースでも矛盾しているような内容は多く存在する。その中でどれだけ前提を疑う姿勢を持てるかどうかは非常に重要な問題である。
(708文字)

追加記事 -note-

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

ジェイラボ
基礎教養部

コメント

コメントする

目次