まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書

『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』阿部 幸大 (著)

書評
執筆責任者:Yuta
タイトル通り、論文を書くこと(アカデミック・ライティング)に必要な技術を学ぶための教科書ですが、内容は従来の教科書の枠を超え、論文執筆へのモチベーションを高める要素も豊富に盛り込んでいます。本書は「原理編」「実践編」「発展編」の三部構成で、ライティングに必要な基礎から応用、実際に書くためのトレーニングまでを網羅しています。演習も付録でついているので、原理編と実践編で学んだ技術を身に着けるための練習ができます。原理編では、アカデミック・ライティングの基本概念が紹介されます。まず、論文とは何か、なぜ論文を書く必要があるのかについて説明があり、これから論文を書く人にとって必要な知識から導入されます。パラグラフ・ライティングに関する節では、「なぜパラグラフごとに一つずつ主張を持つべき(二つ以上の主張を持ってはいけない)なのか?」というところまで解説されています。このように、ただの「書き方」ではなく、「なぜその書き方を選ぶべきか」という理論的根拠がきちんと示されている点が、本書の大きな魅力のひとつです。実践編では、具体的に文章を書くための練習方法やテクニックが紹介されています。論文を書く力を身につけるためには、他の論文を読んで解析するトレーニングが欠かせないことを説いています。この章では、効果的なマーキングの仕方など論文を分析する際の方法論について詳しく書かれています。発展編では、研究の価値や研究活動を長く続けるための心構えについても触れています。著者は、アカデミック・ライティングを通じて自分の思考を深め、研究テーマを選ぶ際に重要な視点を提供しています。例えば、専門分野を選ぶ際に、自分の興味や過去の経験を基に自己分析を行うという方法が提案されています。文系・理系問わず、アカデミック・ライティングの技術を学びたい人には、是非一度手に取ってほしい本です。(791文字)

追加記事 -note-

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

ジェイラボ
基礎教養部

コメント

コメントする

目次