心を強くする「世界一のメンタル」50のルール

『心を強くする「世界一のメンタル」50のルール』サーシャ・バイン(著)高見浩(翻訳)

書評
執筆責任者:ていりふびに
私の趣味は卓球である。試合も定期的に出ているのだが、試合に勝つためには技術だけでけでなく、「気持ち」も重要である。しかし、当然ながら「気持ち」を客観視することはできない。試合前は冷静に試合運びしていこうと考えていても、試合後には試合中に何を考えていたのかほとんど覚えていない。そもそも、冷静に試合をして楽しいのかという話もあるが、負けると悔しいこともまた事実なので、試しに本からヒントを得ることにした。そこで手に取ったのが、大坂なおみ選手のコーチを担当していたサーシャ・バイン氏が書いた「心を強くする「世界一のメンタル」50のルール」である。普段はこういった方法論的な本を読まないが、読んでみると学ぶというよりは成功者のストーリを追体験する、ある種の小説的な楽しみ方ができると感じた。本書で言えば、50のルールの裏付けとして選手とコーチ間の関係性であったり、試合の様子が語られたりするので、テニスに詳しい人であればより楽しむことができるだろう。勿論それだけではなく、幾つか実践してみようと思うこともあった。一つを紹介すると「深呼吸」である。今までも試合の流れが悪い時に間を取ることはしていたが、「深呼吸」をすることはなかった。考えてみればすぐに思いつきそうなことではあるが、学んだことである。効果があるか分からないが、検討したうえで近々出る試合では実践してみようと思う。一つを紹介するといったが、正直に言うと読み終えた後に50のルールのうち覚えていたものは多くない。ただ、この本を読むことで自分の試合中の心の動きや練習中の態度と向き合うことができた。それが何よりの価値である。50のルールを学ぶというよりは50のルールを通して自分と向き合うことをお勧めしたい。
(730文字)

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基礎教養部

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